
オンライン限定柄 新作までのストーリー【後編】
型ができあがると1日かけて、それぞれの配色を染めていきます。


まずは注染の要である糊置き。晒生地に型をおき、その上から防染糊を木ヘラを使ってつけていきます。ジャバラ状に晒生地を折り重ねながらこの作業を約25回、2セット繰り返します。
木下さんは軽やかにスーッと糊を置いていくのですが防染糊は粘度があり、重く、とても力のいる作業。
そして同じ位置に型を下ろし、適量の糊をつけなければ、染料が繊維に入っていかず綺麗な染めにはなりません。繊細で大切な作業です。木下さんの動きは見ていて、とても気持ちよく、惚れ惚れします。

次にその晒生地を染め台に移動して、いよいよ染色です。
色の差し分けをするために防染糊を使って、土手の堤防を作ります。そして土手のひとつひとつに染料を注ぎ、真空ポンプのペダルを踏みながら重なっている晒生地を一気に染めていきます。片面を終えると、ひっくり返して同じように染めます。
染料が違う色の部分に入らないように、慎重に、丁寧に。
染めと向き合う木下さんの真剣なまなざしは、真っ直ぐでとても美しく印象的でした。

サンプル染めは順調に進みました。さて、どのように仕上がっているでしょうか。
実は職人さんもある程度は経験と技術で仕上がりを想定しているものの洗って乾くまでは、どんなふうになっているか分かりません。木下さんも私たちもイメージ通りに上手く仕上がるかドキドキ・・・染めたあとは、余分な染料と防染糊を洗い落とす作業があり、思わず自分で洗いたくなる気持ちを抑えながら、ぐっと我慢して、できあがりをじっと待ちます。そして乾燥させると、だんだんと表情が見えほぼ完成です。
伊達干しと呼ばれる高さ約8mある場所から干してある反物は圧巻です。それを見上げながら染め上がりの確認。まだ少し湿っているけど、絞り染めのような雰囲気を出しつつ、注染の色の流れやにじみ、エンドレスに続くデザインが合わさって、とても良い感じに仕上がっています。
木下さんも私たちも大満足。思わず安堵の笑みがこぼれます。暑い夏から始まった企画、想いの詰まった商品がまた一つ増えました。

皆で話し合い、『スカーフのように使える手ぬぐいを作ろう!』から始まった今回の限定柄は、通常の長さとは異なる180cmカットでのお届けとなります。
冬だとウールやカシミアのスカーフが主流ですが、手ぬぐいのスカーフも意外と温かいものです。綿素材なので肌のあたりがよく、ウールなどの繊維質がチクチクして苦手な方にもおすすめです。
完全な防寒とはいきませんが、首周りを優しく包み込む手ぬぐいのスカーフは心地良いファッションのアクセントに。
配色は3展開です。詳しくは商品ページをご覧ください。